〜Q&A​〜なかなか妊娠できない​

Q 妊娠を希望しており、基礎体温をつけているのですが、月経が不順で、いつ夫婦生活を行えばいいのかよくわかりません。排卵検査薬を使った方がいいのでしょうか?
A
基礎体温をつけることで、低温相と高温相の2相性になっていれば、排卵はあると確認できますが、いつ排卵するかを予測することはなかなか難しく、特に月経不順の方は、夫婦生活のタイミングがとりにくいと思います。 排卵前、卵巣で作られるエストロゲンが上昇し、一定の濃度を超えると、脳の下垂体前葉から黄体形成ホルモン(LH)が大量に分泌され、排卵を促します。この大量分泌をLHサージといい、サージ開始から34~36時間、サージのピークからは10~12時間で排卵が起こります。 排卵検査薬は尿中のLHサージを検知し排卵を予測する方法で、陽性反応が出始めてから、何回か夫婦生活を持たれると妊娠する可能性が高くなります。一般的に、排卵が近づいてくると、エストロゲン上昇の影響で、さらさらとした粘り気の少ないおりものも出るようになり、このおりものが出始めてから排卵検査薬 を使い始めることで、月経周期が不規則の方も、タイミングをとりやすくなると思います。
Q 最近「妊活」という言葉をよく聞きますが、妊娠しやすい身体づくりで心掛けることはありますか?
A
妊娠しやすい身体づくりとは、卵子と精子の質が低下することを防ぎ、また卵巣や子宮の機能、男性機能が正常に働くことができるようにすることです。 アンチエイジングの観点からは、精神的なストレスや喫煙、大量の飲酒、激しい運動、睡眠不足を避けることは大変重要で、生活習慣を改善し、生活環境、場合によっては職場環境を見直すことが必要です。年齢とともに低下する抗酸化力、ホルモン産生力を高めるために、抗酸化物質を豊富に含む野菜や果物をしっかり採り、バランスのよい食生活を心掛けましょう。外食が多い時などはマルチビタミンミネラル、抗酸化サプリメントも有効です。さらに卵子、精子が正常に発育、成熟していく際に必要なホルモン、栄養素を供給するために、卵巣、精巣への血流が増えることは大変重要で、入浴はシャワーだけでなく半身浴を行うことやウォーキングなどの穏やかな有酸素運動やストレッチなど適度に身体を動かすことが必要です。いい卵子、いい精子を育てるために自分の身体を大切にするという感覚で、日常生活を送っていただきたいと思います。
Q 10代の頃から、生理の間隔が2か月以上空くことが多いため、先日、産婦人科を受診したところ、多嚢胞性卵巣症候群の可能性があると言われました。妊娠しにくい体質なのでしょうか?
A
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS:polycystic ovarian syndrome)は、若い女性の月経不順で多くみられる疾患で、卵胞が発育するのに時間がかかって、なかなか排卵しない疾患です。超音波検査で卵巣に小卵胞(5~9㎜)が多数みられ、血中のLH(黄体形成ホルモン)、または男性ホルモンが高値であることから診断します。 原因は間脳-下垂体-卵巣系のホルモン分泌の不調によるものとされますが、インスリン分泌異常も原因の一つと考えられており、年齢とともに排卵障害が強くなる傾向があるため、妊娠のご希望がある方に対しては、排卵誘発剤等で治療を開始します。 内服薬の誘発剤(クロミフェン等)で反応しない場合は、漢方薬やインスリンの抵抗性を改善する薬を併用したり、FSH注射製剤で排卵を促します。 排卵するまで時間がかかる場合もありますが、多くの方は妊娠できますので、根気よく治療していくことが大切です。
Q 先日、妊娠できない原因の半分は男性側にあると聞きました。近々結婚の予定があり、いずれ子供も欲しいと思っていますが、日常生活上気をつけることや、病院を受診した方がいいことがあれば教えてください。(28歳男性)
A
不妊カップルの男性側の問題は、精子をつくる機能が悪く、動いている精子の数が少ない、精子の通り道が詰まっていて精子が出ない、勃起不全、射精障害など性行為がうまくできないことです。精子の状態や性機能は女性同様、加齢とともに低下しますが、さらに生殖能力が落ちないよう、肥満や糖尿病などの生活習慣病を予防することが日常生活上、大事です。1日3食のバランス(カロリー、ビタミン、ミネラル)のとれた食事、適度な運動、十分な睡眠、深酒、喫煙をやめること。また、精巣は温めると精子をつくる力が落ちるため、長時間サウナに入る、膝上にパソコンをおいて仕事する、きつ目の下着を穿くことは避けるようにします。性感染症の可能性がある場合や、陰嚢に血管の瘤が数珠(じゅず)状に浮き出ている状態(精索静脈瘤の可能性)は、診察を受ける必要があります。最近では、ブライダルチェックとしてカップルで受診されるケースも増えています。
Q なかなか妊娠しないため、夫婦で不妊症検査を受けたところ、精子の数が少なく動きもよくないと言われました。主人はBMIが26と肥満なのですが、精子の問題と関係がありますか?
A
肥満は、高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病との関連が強いことが明らかですが、男性不妊も引き起こす要因とされ、具体的には内臓脂肪の蓄積が、男性ホルモンの低下やインスリン抵抗性の増加などの内分泌環境の変化、活性酸素の増加などの炎症性変化を引き起こし、その結果、精子数の減少、運動率低下、奇形率上昇といった精液所見の悪化が起きると考えられています。 対策として、食事療法と運動療法を行い適正なカロリーバランスにすることで、男性ホルモン、インスリン抵抗性が正常化し、精液所見が改善することがわかっています。また、減量がどうしても難しい場合、食欲低下薬やある種の酵素阻害剤、男性ホルモン補充治療などの治療を試みることもあります。 肥満の方全てが男性不妊になる訳ではなく、ご主人の精液所見の悪化が別の原因による可能性もありますが、若い生殖年齢のうちに、生活習慣を改善し、標準体重を維持することは、生殖能力の向上が叶うだけでなく、将来のメタボリック症候群の予防にも大変重要なことです。
Q 夫36歳、妻34歳の夫婦です。二人目の子供が欲しくて1年ほど経ちますが妊娠しません。一人目は自然に授かったのですが、産婦人科を受診した方がいいのでしょうか?
A
俗に言う「二人目不妊」は、一人お子さんがいて、その後次のお子さんがなかなかできない状態であり、不妊症治療を受けているカップルのうちの約3割とされています。出産後の授乳期間中は卵巣機能が低下していますが、授乳を終了してからも月経不順がある場合は、排卵が正常に回復していないこともあるため、早めにホルモン検査を行うことが必要です。また、出産が帝王切開だった場合や出産後に骨盤内感染が起きた場合などでは、卵管周囲に癒着が生じ、卵管の閉鎖や卵子のピックアップ障害などが起こっている可能性もあります。さらに、男女とも、30歳後半から卵子、精子の質の低下や卵巣機能、男性機能の低下が徐々に起こるとされており、一人目を妊娠された時と比べ、今後さらに妊娠する・させる力が低下してくることも考えられます。統計上、1年間避妊をせずに普通に夫婦生活を続けていれば 、約80%の方が妊娠するということもあわせて考えると、検査をして頂くことをお勧めします。
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