〜Q&A​〜検診で異常がみつかった

Q 先日、婦人科検診を受けた時に、子宮内膜ポリープがあるが、大きさは小さく、特に自覚症状もないので、経過観察でよいと言われました。今後、治療は必要ないのでしょうか?
A
子宮内膜ポリープは、子宮内膜が過剰に増殖し、子宮の内側に向かって隆起状に発育する腫瘍で、ほとんどの場合は良性であるため、症状がない場合は、内膜細胞診で悪性を否定した上で、経過をみていくことが多いです。 経過観察中、ポリープが大きくなり、不正性器出血や過多月経がある場合は、ホルモン剤による治療効果は明らかでないため、手術でポリープを摘出することが一般的です。また、不妊症患者さんの場合は、ポリープ切除により、受精卵の着床障害が改善され、妊娠しやすくなるという研究結果がいくつか報告されており、手術をお勧めすることになります。 切除は、短時間の手術のため、日帰りか、数日間の入院で可能です。日本産科婦人科学会のガイドラインでは、子宮内膜ポリープの取り残しによる再発を防ぐために、子宮鏡を用い、子宮内腔を観察しながら切除を行う手術方法が推奨されています。
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Q 検診で子宮頸がんの検査を受けたのですが、「要精密検査」の結果が出ました。出血など何も症状はないのですが、がんなのか心配でたまりません。精密検査というのは、具体的にどういう検査を行うのでしょうか?
A
子宮頸がんは、異形成(いけいせい)という前がん状態を経てがん化することがわかっており、検診で行う細胞診検査では、がん細胞だけでなく、がん細胞になる前の細胞も見つかります。実際、がんと診断されるのはごく少数で、大部分は自然に消える可能性のある異形成であり、「要精密検査」イコール「子宮頸がん」ではありません。 細胞異常の状態を詳しく調べるために、精密検査として「コルポ診」と「組織診」が通常セットで行われます。コルポ診とは、コルポスコープと呼ばれる器具を用い、子宮の入り口を拡大して観察する検査です。肉眼では見えない病変の広がりや前がん病変、初期がんを確認します。さらに コルポ診で異常が疑われた部分の組織を数ミリ取って調べる検査が組織診で、病変がどのくらいの深さまで及んでいるかを確認し、異形成の程度、悪性度などを診断します。 また、子宮頸がんを起こす原因とされているヒトパピローマウイルス(HPV)感染を調べるために、細胞診と同様に子宮頚部を擦過する検査を行うことがあります。HPVのどの型に感染していると、異形成からがんに進むリスクが高いのかということもわかってきており、型を調べる「タイピング検査」を追加する場合もあります。 精密検査を行い、進行した癌になる前の早い段階での細胞異常を確認し、今後の方針を決めることが大変重要です。
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