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なかなか妊娠できない⑤
2018.08.30
Q
なかなか妊娠しないため、夫婦で不妊症検査を受けたところ、精子の数が少なく動きもよくないと言われました。主人はBMIが26と肥満なのですが、精子の問題と関係がありますか?
A
肥満は、高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病との関連が強いことが明らかですが、男性不妊も引き起こす要因とされ、具体的には内臓脂肪の蓄積が、男性ホルモンの低下やインスリン抵抗性の増加などの内分泌環境の変化、活性酸素の増加などの炎症性変化を引き起こし、その結果、精子数の減少、運動率低下、奇形率上昇といった精液所見の悪化が起きると考えられています。 対策として、食事療法と運動療法を行い適正なカロリーバランスにすることで、男性ホルモン、インスリン抵抗性が正常化し、精液所見が改善することがわかっています。また、減量がどうしても難しい場合、食欲低下薬やある種の酵素阻害剤、男性ホルモン補充治療などの治療を試みることもあります。 肥満の方全てが男性不妊になる訳ではなく、ご主人の精液所見の悪化が別の原因による可能性もありますが、若い生殖年齢のうちに、生活習慣を改善し、標準体重を維持することは、生殖能力の向上が叶うだけでなく、将来のメタボリック症候群の予防にも大変重要なことです。
投稿者:
おかだウィメンズクリニック
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