〜Q&A​〜検診で異常がみつかった

検診で異常がみつかった①

2018.08.30

Q 先日、婦人科検診を受けた時に、子宮内膜ポリープがあるが、大きさは小さく、特に自覚症状もないので、経過観察でよいと言われました。今後、治療は必要ないのでしょうか?
A
子宮内膜ポリープは、子宮内膜が過剰に増殖し、子宮の内側に向かって隆起状に発育する腫瘍で、ほとんどの場合は良性であるため、症状がない場合は、内膜細胞診で悪性を否定した上で、経過をみていくことが多いです。 経過観察中、ポリープが大きくなり、不正性器出血や過多月経がある場合は、ホルモン剤による治療効果は明らかでないため、手術でポリープを摘出することが一般的です。また、不妊症患者さんの場合は、ポリープ切除により、受精卵の着床障害が改善され、妊娠しやすくなるという研究結果がいくつか報告されており、手術をお勧めすることになります。 切除は、短時間の手術のため、日帰りか、数日間の入院で可能です。日本産科婦人科学会のガイドラインでは、子宮内膜ポリープの取り残しによる再発を防ぐために、子宮鏡を用い、子宮内腔を観察しながら切除を行う手術方法が推奨されています。
子宮鏡下手術へ>

投稿者:おかだウィメンズクリニック

月経の調子がおかしい①

2018.08.30

Q 最近、仕事が忙しくなったせいか、生理が遅れるようになり心配しています。病院を受診した方がいいのでしょうか?
A
女性の体はデリケートで、忙しい日が続いたり、環境が変わったりして、強いストレスを感じると、生理の間隔が不規則になることがあります。正常な生理の周期(月経周期)は、生理が始まった日から次の生理が始まるまでの日数が、25~38日とされており、数日のズレは問題ありません。しかし、周期が極端に短い場合(24日以下)や、極端に長い場合(39日以上)は、卵巣の働きが低下し、排卵していない状態の可能性があります。 卵巣の機能は、脳の視床下部や下垂体から分泌されるホルモンにより調節されており、過度の精神的肉体的ストレスは、この視床下部の働きに影響し、生理不順を起こすと考えられています。元は規則正しい月経周期だった方の場合、軽度の生理不順なら、体を休ませてリラックスすることで正常な状態に戻るため、大きな問題はありませんが、なかなか症状が改善しない場合は、血液ホルモン検査や超音波検査等で、ストレス以外に生理不順の原因がないかを調べ、治療を検討することが必要です。ずっと不安を抱えずに、一度ご相談ください。

投稿者:おかだウィメンズクリニック

月経の調子がおかしい②

2018.08.30

Q 以前から月経痛がひどく、鎮痛剤を内服していますが、最近痛みがよくならず、友人からピルを勧められました。効果はあるのでしょうか?
A
月経時の痛みは一般に、痛みを起こす物質であるプロスタグランディンが子宮内膜に多く存在するために起こると考えられていますが、年々痛みがひどくなっている場合は、子宮、卵巣などに何らかの器質的病変が起きている可能性があります。特に子宮内膜症では、内膜細胞が本来あるべき子宮の内側以外の場所に発生・増殖し、炎症や周りの組織との癒着をおこし、排便痛、性交痛など月経時以外にも痛みがひどくなることがあります。治療に使われる低用量ピルは、少量のエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の配合薬で、排卵を抑え、子宮内膜を薄く保つ作用や、プロスタグランディンをつくる酵素の量を減らす作用により、痛みを和らげます。また、子宮内膜症の場合は、内膜細胞の活動を低下させることで、病巣の拡大・悪化を防ぐ効果も期待できます。ピルの処方に際し、副作用についても、十分ご説明をした上、効果を確認しながら治療していきますので、痛みは我慢せず、早めに受診して頂くことをお勧めします。

投稿者:おかだウィメンズクリニック

月経の調子がおかしい③

2018.08.30

Q 最近、生理が始まる1週間くらい前から頭痛やイライラがひどくなり、仕事を休むことがあります。症状がよくなるにはどうしたらいいでしょうか?
A
月経の始まる10日~数日前から、頭痛、むくみ、吐き気などの身体症状や、気分の落ち込む、イライラ、不安などの精神症状に悩まされる状態を月経前症候群(PMS)といい、排卵後、卵巣から分泌される卵胞ホルモン、黄体ホルモンが変動し、脳内の神経伝達物質の働きが低下することが原因と考えられています。カフェイン、アルコールの摂り過ぎをやめ、ビタミン、ミネラルを多く含む食品や豆腐、納豆などの大豆製品を積極的に食べること、散歩、ジョギング、ヨガなど適度に汗を流す運動をすること、ぬるめのお湯に15分くらい浸かるような入浴法で、できるだけ心身をリラックスすることなどが大切です。症状が強い場合は、排卵を抑え、卵巣から分泌されるホルモンの変動をなくす目的で低用量ピルを内服したり、抗不安薬、抗うつ薬、利尿薬、漢方薬など症状に応じた薬剤を使用することで、日常生活や仕事に支障を来すことのないように治療をしていきます。

投稿者:おかだウィメンズクリニック

月経の調子がおかしい④

2018.08.30

Q 現在33歳で、来年結婚を予定しているのですが、もともと月経不順があり、以前産婦人科を受診した時に、排卵していないかもしれないと言われました。何か治療をした方がいいのでしょうか?
A
月経があっても排卵していない状態を、「無排卵周期症」といい、月経がひと月に2度くる、2か月以上間隔があく、少量の出血がダラダラ続くなどの症状をきたすことが多くなります。排卵しているかどうかは、基礎体温をつけることでご自身でも確認できます。排卵をしていない場合は、血液検査等を行い、甲状腺疾患や高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣など明らかな原因がないかを調べます。治療方針は無排卵の原因や状態にもよりますが、すぐに妊娠を望んでみえない場合は、漢方薬やホルモン剤を使い、ホルモンバランスを安定させ、月経周期を整えます。現在、妊娠のご希望がある場合は、治療の初期から排卵誘発剤の内服または注射治療も考慮します。この排卵誘発治療には、一度に複数の卵子が排卵することによる多胎妊娠の可能性や、卵巣が過剰に刺激され、卵巣腫大、腹水貯留などの症状をきたす可能性があることなどを、患者さんに十分にご説明し、治療を進めていきます。

投稿者:おかだウィメンズクリニック

月経の調子がおかしい⑤

2018.08.30

Q 30歳になってから、月経時の出血が増えてきた気がします。産婦人科を受診した方がいいですか??
A
月経中、ナプキンが1時間ももたないほど出血量が多かったり、月経血の中にレバーのような血のかたまりが多くみられる場合を過多月経といい、最近の報告では、月経のある女性の約4割に認められるとされます。めまいや立ちくらみ、疲れやすいなどの症状を伴うことや、血液検査で鉄欠乏性貧血と診断されることもありますが、症状に慣れてしまい、産婦人科を受診することなく経過をみている方が多いのが現状です。 過多月経の原因としては、良性疾患では子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどがあり、内診、超音波、MRI、子宮鏡検査などで診断します。加えて、子宮体がんなど悪性疾患の可能性もあるため、定期的ながん検診も必要です。また、子宮に明らかな異常がない、血液凝固異常などの内科的疾患や、婦人科的ホルモン異常に起因する過多月経もあります。 重い貧血が長期間続くと、心臓に負担がかかり、最悪心不全に至るケースもあるため、過多月経症状がある場合は、我慢せずに、早めに受診して頂きたいと思います。

投稿者:おかだウィメンズクリニック

検診で異常がみつかった②

2018.08.30

Q 検診で子宮頸がんの検査を受けたのですが、「要精密検査」の結果が出ました。出血など何も症状はないのですが、がんなのか心配でたまりません。精密検査というのは、具体的にどういう検査を行うのでしょうか?
A
子宮頸がんは、異形成(いけいせい)という前がん状態を経てがん化することがわかっており、検診で行う細胞診検査では、がん細胞だけでなく、がん細胞になる前の細胞も見つかります。実際、がんと診断されるのはごく少数で、大部分は自然に消える可能性のある異形成であり、「要精密検査」イコール「子宮頸がん」ではありません。 細胞異常の状態を詳しく調べるために、精密検査として「コルポ診」と「組織診」が通常セットで行われます。コルポ診とは、コルポスコープと呼ばれる器具を用い、子宮の入り口を拡大して観察する検査です。肉眼では見えない病変の広がりや前がん病変、初期がんを確認します。さらに コルポ診で異常が疑われた部分の組織を数ミリ取って調べる検査が組織診で、病変がどのくらいの深さまで及んでいるかを確認し、異形成の程度、悪性度などを診断します。 また、子宮頸がんを起こす原因とされているヒトパピローマウイルス(HPV)感染を調べるために、細胞診と同様に子宮頚部を擦過する検査を行うことがあります。HPVのどの型に感染していると、異形成からがんに進むリスクが高いのかということもわかってきており、型を調べる「タイピング検査」を追加する場合もあります。 精密検査を行い、進行した癌になる前の早い段階での細胞異常を確認し、今後の方針を決めることが大変重要です。
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投稿者:おかだウィメンズクリニック

なかなか妊娠できない①

2018.08.30

Q 妊娠を希望しており、基礎体温をつけているのですが、月経が不順で、いつ夫婦生活を行えばいいのかよくわかりません。排卵検査薬を使った方がいいのでしょうか?
A
基礎体温をつけることで、低温相と高温相の2相性になっていれば、排卵はあると確認できますが、いつ排卵するかを予測することはなかなか難しく、特に月経不順の方は、夫婦生活のタイミングがとりにくいと思います。 排卵前、卵巣で作られるエストロゲンが上昇し、一定の濃度を超えると、脳の下垂体前葉から黄体形成ホルモン(LH)が大量に分泌され、排卵を促します。この大量分泌をLHサージといい、サージ開始から34~36時間、サージのピークからは10~12時間で排卵が起こります。 排卵検査薬は尿中のLHサージを検知し排卵を予測する方法で、陽性反応が出始めてから、何回か夫婦生活を持たれると妊娠する可能性が高くなります。一般的に、排卵が近づいてくると、エストロゲン上昇の影響で、さらさらとした粘り気の少ないおりものも出るようになり、このおりものが出始めてから排卵検査薬 を使い始めることで、月経周期が不規則の方も、タイミングをとりやすくなると思います。

投稿者:おかだウィメンズクリニック

なかなか妊娠できない②

2018.08.30

Q 最近「妊活」という言葉をよく聞きますが、妊娠しやすい身体づくりで心掛けることはありますか?
A
妊娠しやすい身体づくりとは、卵子と精子の質が低下することを防ぎ、また卵巣や子宮の機能、男性機能が正常に働くことができるようにすることです。 アンチエイジングの観点からは、精神的なストレスや喫煙、大量の飲酒、激しい運動、睡眠不足を避けることは大変重要で、生活習慣を改善し、生活環境、場合によっては職場環境を見直すことが必要です。年齢とともに低下する抗酸化力、ホルモン産生力を高めるために、抗酸化物質を豊富に含む野菜や果物をしっかり採り、バランスのよい食生活を心掛けましょう。外食が多い時などはマルチビタミンミネラル、抗酸化サプリメントも有効です。さらに卵子、精子が正常に発育、成熟していく際に必要なホルモン、栄養素を供給するために、卵巣、精巣への血流が増えることは大変重要で、入浴はシャワーだけでなく半身浴を行うことやウォーキングなどの穏やかな有酸素運動やストレッチなど適度に身体を動かすことが必要です。いい卵子、いい精子を育てるために自分の身体を大切にするという感覚で、日常生活を送っていただきたいと思います。

投稿者:おかだウィメンズクリニック

なかなか妊娠できない③

2018.08.30

Q 10代の頃から、生理の間隔が2か月以上空くことが多いため、先日、産婦人科を受診したところ、多嚢胞性卵巣症候群の可能性があると言われました。妊娠しにくい体質なのでしょうか?
A
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS:polycystic ovarian syndrome)は、若い女性の月経不順で多くみられる疾患で、卵胞が発育するのに時間がかかって、なかなか排卵しない疾患です。超音波検査で卵巣に小卵胞(5~9㎜)が多数みられ、血中のLH(黄体形成ホルモン)、または男性ホルモンが高値であることから診断します。 原因は間脳-下垂体-卵巣系のホルモン分泌の不調によるものとされますが、インスリン分泌異常も原因の一つと考えられており、年齢とともに排卵障害が強くなる傾向があるため、妊娠のご希望がある方に対しては、排卵誘発剤等で治療を開始します。 内服薬の誘発剤(クロミフェン等)で反応しない場合は、漢方薬やインスリンの抵抗性を改善する薬を併用したり、FSH注射製剤で排卵を促します。 排卵するまで時間がかかる場合もありますが、多くの方は妊娠できますので、根気よく治療していくことが大切です。

投稿者:おかだウィメンズクリニック

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女性の方に対してのホームドクターとして、質の高い産婦人科診療を行ってまいります。

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